リョウは自分の感に頼りながら香とミックを探していた。 (ちくしょう、あの二人どこいったんだ?) なかなか見付からない二人にリョウは焦りだす。 まだ誘拐されてた方が落ち着いて探せるぜ!ミックが相手となると何をしでかすかわからんからな。 自分では落ち着こうと思っても焦るばかりで香の居場所が特定できない。 やはり自分の感だけじゃ心もとない。 (ミックの野郎、香に手を出したらぶっ殺すからな!) リョウの中でにやけ顔のミックを睨み付ける。 闇雲に探しても仕方ない。 とりあえず冷静になろうとして、一旦立ち止まり、壁に寄り掛かった。 一息つこうとして、胸ポケットからたばこを取り出し、 タバコを咥え、火をつけた。 そして煙と一緒に深いため息とともに息を吐いた。 「ねえねえ、今の美男美女のカップル見た?モデルみたいな人たち」 すると通りすがりの二人組みの女性がそう言う。 (美男美女・・・?まさか・・・・。) リョウはその言葉にピン、ときてすぐ後を追った。 香のことを暴力女とか色気がねーとかよく言ったが、あれは嘘だ。 自分に言い聞かせるように、そう香に言っていた。 そうちゃかなさいと香とどう接すればいいのかわからない。 香と肉体関係を持ってから尚更色っぽくなった。 今まで以上に女らしくなり、女の艶が増した。 あまりにも綺麗で、見ていられないほどに美しい。 そんなに綺麗になったカオリにミックが手を出さないわけがない。 (もし俺がミックだったら速攻で香を口説く。) ただでさえ、ミックは香に惚れてたんだ。 (今回のチャンスを逃さないはずがない!) 撩ははやる気持ちを抑えながら、ばれないように何気なく後ろについた。 「見た見た!公園の方に向かっていった金髪の外人さんとショートカットの女の人でしょう?すっごい二人ともかっこよかったわよねー」 一緒に歩いていた女の子が嬉しそうに話した。 (金髪の外人?やっぱりそのカップルって香とミックか?) 気付かれないように耳をダンボにする。 「本当vvあの外人さんが女の人の名前を呼ぶときの声聞いた?すごくセクシーな声だったわよね〜」 「うん、あの声で耳元で囁いて欲しいわ。あのカオリって女の人が羨ましい!!」 きゃーvvと黄色い声が撩の耳に響く。 しかしカオリという言葉には直ぐに反応した。 (やっぱり!俺の感は正しかったぜ。) そう思った週間に撩は公園の方向へ走り出していた。 「あーあ、おいしかった。ミック、どうも御馳走様でした」 香はぺこりと頭を下げる。 「どういたしまして」 ぱちん、とミックはウインクをした。 二人は食事の後に少し公園を散歩していた。 ミックは手ごろなベンチに香りを座らせて、側に立った。 「なんか明日が本番だと思うと今からドキドキするわ」 「大丈夫だよ。カオリは上手くやれるさ。心配ないよ」 にかっ、と笑う。 「そう思いたいけど」 少し心配そうに言った。 (う〜ん、その顔も又いいね。悩む顔も素敵だよ。) 少し下向き加減の香の表情にミックは煩悩を発揮しそうになった。 (ここで手を出したいところだけどちょっとな〜。好まないお客さんがちらほらと辺りにいるし・・・。) ミックは深いため息をついた。 (あんなに殺気をたてたら馬鹿でもわかるぞ。) 数人の殺気が二人を取り巻く。 「ねえ、ミック。なんか私たち狙われてない?」 鈍感な香もこの殺気だけはわかったらしい。 ちらちらと目線をあたりに促した。 「さすが、カオリ。ちゃんと気配を詠む訓練してるんだね」 「じゃあ、やっぱり・・・」 「そ。俺達の甘い時間を誰かが潰そうとしてる―――」 ミックが香の顎に手をかけたときに、がちっ!と撃鉄の音が聞こえた。 その瞬間にミックは手を引っ込めた。 音の方向を見ると、撩の顔と撩が愛用しているパイソンがミックを見ていた。 (・・・あら〜、やっぱり見つかっちゃったか。) 今にも飛び掛ってきそうな撩の顔にミックは苦笑する。 「どうしたの?」 香は笑っているミックをおかしく思い、話し掛けた。 「いや、何でもないよ。ちょっと天邪鬼がね」 (やっぱり、香には手を出せないか。まっ、いいか。俺にはかずえがいることだし。) ミックがあきらめモードに差し掛かったところで、数人の男達が二人の前に現れた。 「よおぉ、ご両人。ちょっと、そこまで付き合ってくれねーかな?」 人相の悪い男が口を開いた。 「いやよ!誰があんたたちなんかに」 ふん!と香はそっぽを向く。 「これでもかい?」 男は銃を香に向けた。 「シティーハンターのパートナーの槙村香さんよ〜?」 不適な笑みが男の表情に宿る。 その言葉に回りの男達がくすくすと笑った。 「あなたたちの目的は撩なのね?私を誘拐して撩をおびき出すつもり?」 表情を変えずに香は言った。 (ほぉ〜、カオリも度胸据わってるな。さすがに俺が惚れ込んだだけはある。) 銃を向けられて脅えない人はそうはいない。 大抵の人間は脅える。 (まあ、一般の人間が本物の銃なんて見ないしな。) なのに脅えもせずに一功に睨みつける香がミックはいたく気に入った。 「おいおい、レディーに銃なんて向けるなんて不粋だぜ?教育がなってないんじゃないか?」 ミックがやっとこさ口を開いた。 「なんだ、アンタは?外人は大人しくしてろ!」 男はミックを睨みつけたが、ミックの顔をマジマジと見るなり男は急変した。 「なっ!」 口をパクパクとしてミックの顔を見ている。 「どうしたんだよ?」 隣りにいた男が顔を青くしている男に話し掛けた。 「あ、あんたは・・・。ミック・エンジェル!」 「・・・俺の名前を知ってるんだ。だったら話は早い。とっとと香に向けている銃をしまってここから立ち去るんだな」 キッ!と睨みを利かす。 男達はびくっ!として体を震え上がらせた。 「ふ、ふんっ!ふざけるな!まわりを固めてるんだ、いくらアンタでもこの人数じゃ勝ち目がないだろう?」 二人を取り囲んでいる男達に目配せをする。 「別に・・・。大したことじゃない」 そう言った瞬間、ミックは回りにいた男達に蹴りと拳を食らわせた。 長い手足が宙を舞う。 秒殺で4人の男が地べたに落ちた。 「後は・・・、お前達か」 目の前の二人をミックは睨む。 「す、すごい・・・。さすがミックだわ」 香が尊敬の表情を浮かべてミックを見た。 「こんな雑魚、相手にもならん」 少し乱れた襟元を正す。 「雑魚だとぉ?」 雑魚と言われてむかついたのか、男が顔を赤くしてミックに銃を突きつけ、 「死ね〜!!!!!!」 引き金を引いた。 ドンッ!! と大きな音が公園に響く。 ミックは軽々とその銃弾を避け、男の懐に潜り込みみぞおちに一発殴りこんだ。 「ぐほぉぉぉ!!」 大きな口をあけて、男が嗚咽を漏らす。 「こんな人に目がつくところで発砲するなんてナンセンスだね」 ピクピクと痙攣している男を見下す。 「さて、アンタはどうする?」 じろっ、とミックは睨む。 「ひっ!」 男はミックの鋭い眼光に負けて、その場から逃げ出した。 「ったく、せっかくの甘い時間を邪魔しやがって・・・」 ぼそっ、とミックは呟いた。 「ミック!すごいわね。どうやったらあんなに綺麗に決まるのかしら」 香はミックに近寄った。 「ぎゃーーーーー!」 その時先ほどの男の叫び声が聞こえてきた。 「な、何・・・」 香がびくっ、と振るわせた。 「さあ?なんでしょうね」 (・・・あの男が逃げた先には確か撩がいたはず・・・。) ははっ、とミックは笑った。 (カオリに銃を突きつけたんだ。それなりの覚悟はしてもらわないとな。) 「さあて、カオリ。帰りますか。春とはいえまだ夜は寒いからね」 何事もなかったかのようにミックはにこやかに言う。 「そ、そうね・・・」 香は少し呆然としながらもミックの言葉に従った。 |
*****戯 言*****
久しぶりのCHUP!!
なんかミックが異様にかっこよいわ。
こんな風に守ってくれる彼氏が欲しいな。
ああ、存在するならばこの人たちに会いたい!!
な〜んて、無理なんだよね〜・・・。(´ー`)
フッ
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