ある村で出会った子供がいた。

 その子供は俺達海賊に怯む事なく立ち向かってきた。

 脅えてはいたものの、負けん気が強いらしくて膝をガタガタと笑わせながら俺達の前に現れた。

「お前等、海賊にこの村はやらせないぞ!」

 そう息巻いて武器を両手に持ち、挑んできた。

「別にこの村を襲うような真似はしねーよ。ただ、少しばかり休ませて貰おうとしただけだ。あの海賊旗

に誓ってもいい。この村は襲わない」

 赤い髪に顔に3本傷がある男は言う。

「ほ、本当か?」

 子供は膝を笑わせるのを止めると、武器を下ろした。

「勿論さ。俺は赤髪海賊団の船長シャンクスだ。お前名前は?」

「俺はモンキー・D・ルフィだ」

 そう力強くルフィは言った。 

「ルフィか、良い名だ」

 ルフィはその言葉を聞くとしししっ、と笑った。

「ルフィ、こののっぽの男は副船長のベン・ベックマンだ」

 シャンクスは隣に立っていたベンを紹介した。

「・・・お頭、アンタ他に紹介の仕方がねーのかよ」

 ベンはシャンクスの紹介の仕方にいちゃもんをつけた。

「いいじゃねーかよ。子供にはそう言った方が分かりやすいんだから」

 小声でシャンクスは言った。

「ほら、何か挨拶でもしろよ」

 肘でベンの事を小突く。

 じろっ、とシャンクスをじろっと見てからベンはルフィに声をかけた。

「俺は副船長のベン・ベックマンという。よろしく、ルフィ」

 ぶっきらぼうに言った。

 ルフィはおずおずと、

「よ、よろしく」

 と言った。

 どうやらベンが怖いらしい。

 普通の大人でもベンの身長が高くて怖がるのに、子供のルフィなら尚更だ。

 それにぶっきらぼうに言うのが余計に怖いらしい。

「ベン、もうちょっと優しく言ってやれよ。怖がってんじゃねーか」 

 シャンクスはあ〜あ、といった感じでベンを見た。

 軽く溜め息をつくと、中腰になった。

「この赤髪おっさんがが変なこと言ってきたら俺に言え。ちょっとおかしなとこがあるから。面倒見るの

大変なんだ」 

 そう言うとベンは出来るだけ優しくほほ笑んだ。

 ルフィはその笑顔を見ると、ぱぁ、と輝くように自分もほほ笑んだ。

「うん、わかった!何かあったら副船長に言うよ」 

 しししっ、と笑う。

 ベンはつられて、にやっ、と笑った。

「・・・おい、ちょっと待て。俺がいつ変なこと言ったよ」

 シャンクスは、ん?と首を捻った。

「胸に手を当てて良く考えてみるんだな」

「胸?」

 そう言うとシャンクスはベンの胸に手を当てた。

「・・・アンタ何してるんだ」

「えっ、何ってお前が言った通りに胸に手を当ててるんだけど?」

 きょとん、とした顔で言った。

「誰が俺の胸と言った!普通常識的に考えて自分の胸に手を当てるだろうが!」

「ああ、そうか!気がつかなかったよ」

 そう言うとシャンクスはケラケラ笑った。

 ルフィもそのやり取りを見て、しししっと笑う。

 他の船員達も笑いにつられてみんな一緒に笑った。

 この日をさかえに赤髪海賊団とルフィの仲は急速に仲よくなった。

元々ものおうじしないルフィはその日から海賊船に入り浸るようになった。

 初めの挨拶通りルフィは何かあるとすぐにベンを頼った。

 自分ではなくベンに頼る事にシャンクスはむかっ、ときていつもルフィをいじめてしまう。

 その結果がルフィをベンの元にやることになってしまったのだ。

 シャンクスはそれがむかついてちょっかいを出す。

 そしてベンの元に行ってしまうのだ。

 その同道巡りを続けてしまう。

 ちえっ、とシャンクスはいじける。

 それを宥めるのはほかでもないベンであった。

 ベンは子供を二人預かっている気分になる。

 ・・・それにしてもでかい子供だよな。

 大きい子供を思い浮かべる。

 あれがこの赤髪海賊団のボスとはね・・・。

 ふーう、と溜め息をつく。

 するといつもの通りいじめられてベンに泣きついてきたルフィがベンの顔を見た。

「でさぁ、シャンクスってば・・・、ってどうしたの?副船長」

 ぼーっとしているベンにルフィが話し掛けた。

「あぁ?・・・なんでもない」

 毎回毎回同じようなことで喧嘩して泣きついてくるルフィに最近溜め息がでるほど疲れている。

 同じ様にシャンクスが夜自分に向けてくる小さい嫉妬に疲れる。

 ベンはルフィの話を左から右流していた。

「副船長どこか悪いの?」

 ルフィが心配そうに聞いてきた。

 その表情がとてもかわいい。

 ・・・その顔は卑怯だよな。何でも許せちゃうじゃないかよ。

 そんな自分の考えに再び溜め息をつく。

「大丈夫?」

 自分がこうなっている元凶とも考えずにベンの心配をする。

「・・・大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、ルフィ」

 ベンは軽くわしゃわしゃと頭を撫でた。

「へへっ」

 ルフィはお礼を言われて嬉しそうに笑った。

 ベンもその笑顔につられて笑う。

「副船長、話聞いてくれてありがとう」

「どういたしまして」

 ふぅ、これで今日の日課は終わったかな?

 ベンはルフィに気付かれないように息を吐いた。

「あっ!副船長、ちょっとしゃがんでよ」

 思い付いたようにルフィは言った。

「ん?何?」

 腰を折り、ルフィと同じ視線にする。

「あのね・・・」

 顔を近付けて、目の前でにこっと笑った。

 ちゅ。

 頬に柔らかい物が触れた。

「えっ?」

 少しの間それがルフィの唇だということがわからなかった。

「いつも話を聞いてくれるお礼」

 にこっ、と笑う。

「・・・・・・・」

 ベンは目をぱちくりとさせる。

 ルフィはくすっ、と笑うと、

「じゃあ、俺帰るね。又ね、副船長」

 そう言うとルフィは船を降りていった。

「・・・・・・マジ?」

 走って行くルフィの後ろ姿を見ながらベンはつぶやいた。

 ・・・たいした小悪魔だな。俺を翻弄させるなんてよ。

 たばこを取り出して、くわえた。

「ったく、気が抜けないガキだな」

 にやっ、と笑うとたばこに火をつけた。

 

 

 

*****戯 言*****

初の副ルです!いや、これは副ルになっているのかが疑問だ。
えーっと、苦情は受け付けません!
副ルFANの方、ごめんなさい。初書きということで許してくださいな。
どうやってからませたらいいんだろうと考えたのですが、どうしてもかなり薄い副ルになってしまいました。
でも書いていて楽しかったです。シャンルとは違った楽しみがありました。
リクをしてくれたりる様、リクしてくれてありがとうね!

こんな話でも受け取ってください!!

 

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