「起きて下さい。船長!」

 まだ眠いのか寝返りを打っただけで起きようとはしない。

 なんだ、まだルフィは起きてないのか。いつものことだろう。

 もう一眠りしようとチョッパーは眠りに集中する。

「船長!起きて下さいってば!チョッパー船長!」

 その言葉にチョッパーは飛び起きる。

「やっと起きた。さっ、早く支度してください。皆が食堂で待ってますよ。ルフィなんか待ちきれなさそうでした」

 サンジが乱れたベットを直す。チョッパーは訳がわからないといった表情をしていた。

 そんな異変にサンジが気づく。

「どうしました?船長」

 いつものサンジには見られない男にむかって笑った顔。

 これは・・・?!

「どうしたんだ、サンジ。何か悪いもんでも食べたのか?だったら治療してやるぞ」

 心配そうにチョッパーはサンジを見る。

「何言ってんですか。俺がそんなもの食べるなんてありえませんよ。第一作りません」

「えっ?じゃあ、俺をからかってるのか?船長だなんて」

 その言葉に今度はサンジが顔に?マークを浮かべた。

「船長こそ何を言っているんすか?あなたは確かに船長ですよ。チョッパー海賊団のお頭、チョッパー船長」

 寝ぼけてないで早く食堂へ行ってください、とサンジに勧められるが、チョッパーは信じられなくて自分の頬を思いっきりつまんだ。

「いってーーーーーーー!!」

 自分がつねったところが熱を帯びているのがわかった。

「何をしてるんですか!眠気覚ましにもそんなやり方ないでしょう」

 ドタドタッ!と数人の足音が聞こえてきた。バンッ!と扉が開く。

「どうした?!何かあったのか!」

 ゾロが剣を携えて一気に部屋に入ってくる。その後にルフィ、ナミ、ウソップと続いた。

「どうかしたのか?チョッパー船長」

「どうしたの?」

「なんだ、なんだ。どうしたんだ?」

 その勢いにチョッパーは圧倒される。

「いや、なんでもねーよ。ただ眠気覚ましに頬をつねっただけだ」

 圧倒されているチョッパーの変わりにサンジが答える。

「なーんだ。すげー大声だから敵襲でもあったのかと思った」

「あるか、バカ。だったら乗り込む前に気づくよ」

「そっか。だったら早く飯食おうぜ。俺腹すいたよー」

 ルフィはお腹を抱える。

「わかった、わかった。食堂で待ってろ。すぐに船長が行くから」

 ゾロ連れて行ってくれ、と目線で合図する。

「おら、行くぞ。ルフィ」

 ゾロはルフィの襟を掴んで引っ張っていく。

「何だよ。そんな引っ張るなって。チョッパー船長早くなー。俺腹すいてるから」

 そう言いながらゾロはルフィは部屋を出て行った。

「私達も戻りましょ。ウソップ」

「そうだな」

 ナミやウソップも部屋を出て行った。

「はら、皆待ってるから早くしてください」

「・・・俺、本当に船長なのか?」

 サンジ一人ならただの何かの病気かとも思うが、ルフィは勿論のこと、ゾロやナミ、ウソップまでもがチョッパーを船長だと思っている。皆の会

話を聞いていてもだますとかそんな雰囲気は見られなかった。

「さっきも言ったでしょう。あなたはこの海賊団の船長だって」

「だってここの船長はルフィだろ?」

「ルフィ?まあ、確かにルフィは前は船長でしたよ。でもあなたがこの海賊団に入ってからルフィよりもあなたのほうが船長としてむいていると

この間決めたじゃないですか。それからあなたが、船長でしょう。さっ、皆が待っていますから早く行き間しょう」

 サンジはチョッパーを促す。

「・・・うん」

 そんなとこあったっけかな?全然記憶にないや。俺記憶喪失にでもなったのかな?

チョッパーは納得がいかないが、皆が待っていることは事実だ。だから食堂に行かなければならない。あんなにお腹をすかせているルフィを見る

と早く行かなければと思う。

 皆が自分をことを船長だって言ってくれるならそうなんだろうと、チョッパーは思った。

もしかして自分に記憶がないだけかもしれない。そうしたら自分に慕ってきている皆に悪い気がする。だったらその通り動こうとチョッパーは思った。

もしかすると船長をやっているうちに何か思い出すかもしれない、そう思った。

自分は船長なんだ。そう何度もチョッパーは自分に言い聞かせていった。

部屋を出ると朝日のまぶしい光がチョッパーを照らし出す。その光が海にも照らし、水面をきらきらさせている。

「綺麗。こんな綺麗な海始めて見た」

 いつも見るより海は広く、すがすがしく感じられる。こんな気分は初めてだ。

「そうですか?いつもと変わらないと思いますけど?」

 サンジは海を見つめる。そういつもと変わらない。もしかするとこの海のどこかにオールブルーがあると思うと、海が光輝いて見える。

 それは海に希望をもったものでしか見れない光景だった。

「そう?俺には綺麗に見えるよ」

 そう言うチョッパーの顔は輝いてみえた。

 

 

 

「なあ?チョッパーまだ起きてないのか?俺腹減ったよ」

 ルフィがテーブルの上に置いてある料理を、目を皿のようにして見る。

「そんなこと何度も言わなくてもわかってるよ。そんなに言うとこっちまですいてくるじゃねーか」 

 少しは黙れ、とゾロは言う。

「そうそう。我慢すればするほど美味しいぜ、きっと」

「おい、俺の料理は空腹じゃねーと食えねーのか?ウソップ」

 後ろからサンジの低い声が聞こえた。

「サンジ・・・。いや、お前の料理はうまいよ!!天下一品だ!!」

 冷や汗をかきながらウソップは弁解する。

「たりめーだ。俺が選んだコックなんだからよ」

 ルフィは威張って言った。

「それよりチョッパーは?」

「ああ、まだ寝てる。何か幸せそうな顔してたから起こさないで来た。頬とかつまんでも起きねーし」

「疲れてるんじゃない?だって毎日あんた達の傷の治療しているんですもの。並みの医者じゃこの船には乗れないわ」

 だから喧嘩を少しは控えなさい。とナミが言う。

「まっ、しょうがねー。俺たちだけで食ってるか。チョッパーの分は後で暖めなおそう」

「それ賛成!!」

 ルフィが一目散に賛同する。それに続いて皆賛同した。

「じゃあ、いっただっきまーす!!」

 皆の声が食堂に響き渡った。

 

 

 

 

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