――寒い。

 香はそう思った。
 部屋にヒーターを付けているのにもかかわらず、ぶるっ、と体が震えてしまう。
 カーテンの隙間から外が見えた。そこからはちらほらと白いモノが舞っていた。

 ――雪…。どうりで寒いはずだわ。

 目で雪を認識すると余計に寒さを感じる。
 あまりにも寒いので数時間前にぬがされた服を取ろうと、隣で寝ている撩を起こさずに抜けだそうとし、上半身を起こそうと腕を伸ばそうとすると、ふいに抱きすくめられた。
「…撩、起きてたの?」
 温もりを感じ、香は撩に身を任す。
「どこ行くんだ?」
「どこって、寒いから服を着ようとしたのよ」
 素肌に触れる空気がかなり冷たい。
「なんだ、そんなことか。様は温まればいいんだろ?」
 そう言うと撩は香を自分の下に寝かせた。
 香は直ぐさま撩がしようとすることに気が付く。
「まさか撩…」
「ご明察。これからもうワンラウンドといきますか」
 にやりと笑って行為に走る。
「ちょっと待って、撩!」
「待てません。早く体を温めようぜ」
 意地悪笑みを浮かべると撩はちゅ、と音をたててキスをした。
 香は撩に翻弄されながら、朝まで撩と共に温めあったのだった。






END






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