ザーーーー、と雨が降っている音が聞こえる。 ピション、ピションと窓辺に雨が当たる。 「うわぁ〜、すっごい雨」 ルフィは窓辺で外を見ながら言った。 白い糸が天から降ってくる感じがした。 風がなければその糸は垂直のまま、風があれば糸は斜めになる。それが子供のルフィには面白く感じられた。 「何だよ、ルフィ。そんなに外ばっかり見ちゃって」 シャンクスはルフィの腰を抱きかかえた。 「だって面白いじゃん、雨って。俺こんなにいっぱい雨振ったの始めてみたよ」 「これは例外だよ。何せ今日は台風が来てるから。普通の雨よりはいっぱい降るし、激しく降るから」 「へぇー、これが台風か。すげぇー!!」 ルフィは目をきらきらと輝かせた。 「そんなに嬉しがるものじゃないぞ、ルフィ」 シャンクスはルフィの顔を自分の方に向けさせた。 「台風は人の命をも奪う大変な雨なんだ。俺は来てもらっても嬉しくなんかないね」 「人の命を奪う?」 「そうだ。陸にいてもそうだが海にでれば台風ほど厄介なものはないよ。お前もいずれ海にでるんだろ?そのぐらいは覚えとけよ」 「へぇ〜。こんなに面白いのになー」 「そりゃ、陸にいてしかも家の中にいるからそう思うんだよ。いっぺん外に出てみるか?お前なんか体重が軽いからすぐに飛ばされちまってどっか 行っちゃうんだ」 シャンクスはルフィの身体を揺らした。ルフィはその言葉を聞くと顔を青くした。 「どっ、どうすれば台風に飛ばされずにすむの?」 「そうだな、俺と一緒にいれば平気だよ」 「ホント?シャンクスといればホントに平気?」 「ああ、もちろん平気さ。俺が側にいるかぎりお前をどこにも行かせない」 ぎゅう、とルフィを抱きしめた。 「うん!!俺シャンクスとずっと一緒にいる!!」 ルフィはシャンクス方に向き直り、強く抱き返した。 その言葉を聞くとシャンクスはにやっ、と笑った。 う〜ん、可愛い奴め。 シャンクスは思わずルフィの頭に頬をすりすりした。 この手まだまだ使えそうだな。 「ルフィ、これからわからないことがあったら全部俺に聞くんだぞ。何でも教えてやる」 「うん、わかった。俺シャンクスに聞く」 ルフィは何度も頷いた。 「よしよし。いい子だ」 シャンクスはルフィの頭を撫でた。 ・・・これから俺色に染めさせよう。 そうシャンクスは心の中で思った。
そんな腹黒いことを思ったったある1日だった。 |
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